○浅川町有害鳥獣駆除事務取扱要領
平成12年5月8日
要領第7号
1 趣旨
鳥獣保護及狩猟ニ関スル法律(以下「法」という。)第12条に規定する有害鳥獣駆除のための鳥獣の捕獲許可について,特に定めのあるもののほか,この要領によるものとする。
2 許可権限の範囲
福島県鳥獣保護及狩猟ニ関スル法律施行条例第2条の規定により,狩猟鳥獣(クマ・シカを除く)を捕獲する場合に限り許可権限を有するものである。
3 有害鳥獣駆除の基本的考え方
有害鳥獣の駆除は,鳥獣による農林水産物等の被害,生活環境の悪化,人身への危害又は植生の衰退や在来種の圧迫等の自然生態系の撹乱(以下「被害等」という。)が現に生じている場合に,その防止,軽減を図るために行われるものとする。
4 有害鳥獣駆除に係る鳥獣捕獲許可基準
(1) 許可の考え方
有害鳥獣駆除のための捕獲許可は,被害等の状況及び防除対策の実施状況を的確に把握し,その結果,被害等が生じており,被害等防除対策によっても被害等が防止できないと認められるときにのみ行うものとする。
(2) 許可対象者
ア 有害鳥獣駆除は広域的かつ効率的に実施する必要があるため,国,地方公共団体及び法第12条第3項の環境庁長官の定める法人を許可対象者とする。
イ 捕獲従事者は,使用する猟具の狩猟免許を有していなければならない。
ウ 捕獲従事者の人数は,駆除を実施するうえで必要最小限であること。
(3) 鳥獣の種類・員数
ア 駆除対象鳥獣の種類は,現に被害等を生じさせている種であること。
イ 具体的な捕獲数の上限は別表のとおりとし,被害等の防止,軽減の目的を達成するために必要最小限の羽(頭,個)数であること。
(4) 期間及び時期
ア 原則として被害時期と一致するものとし,別表に定めるそれぞれの期間内でできる限り短期間とする。
イ 駆除対象以外の鳥獣の繁殖に支障がある期間は避けるよう考慮すること。
ウ 狩猟期間中の有害鳥獣駆除の許可については,狩猟の期間中は一般の狩猟と,また狩猟期前後の場合は狩猟期間の延長と誤認されるおそれがないよう,当該期間における駆除の必要性を十分に審査するなど,適切に対応すること。
(5) 区域
ア 駆除区域の範囲は必要最小限とし,被害地の所在する市町村行政区域を限度とする。
イ 鳥獣保護区,銃猟禁止区域又は休猟区内で駆除を実施する必要がある場合は実情を調査し,他の鳥獣の保護繁殖に支障が生じないよう配慮すること。
(6) 方法
ア 従来の駆除実績を考慮し,最も効果的な方法であること。
イ 法第1条ノ4第3項で制限(カラスの捕獲檻を除く。)されている猟法を用いないこと。
ウ 空気銃を使用した捕獲は,半矢の危険性があるため,中・小型鳥類に限ってその使用を認めること。
5 事務手続き
(1) 申請
有害鳥獣駆除の許可申請は,鳥獣捕獲許可申請書(様式第1号)によるものとし,次の資料を添付するものとする。
ア 被害発生状況調査書(様式第2号)
被害状況を示す写真を添付する。緊急の場合は後日追加する。
イ 有害鳥獣駆除実施計画書(様式第3号)
ウ 有害鳥獣駆除依頼書写し(様式第4号)
エ 被害区域及び駆除実施区域図(1/25,000または1/50,000のもの)
オ 捕獲従事者が狩猟免許を有していることが確認できる資料(狩猟免状の写し等)
カ その他必要となる資料
(2) 許可の判断
ア 申請書類の内容を審査し,必要に応じて被害地の調査を行い,駆除を実施することもやむ得ないと認められる場合に,上記4の許可基準の範囲内で許可するものとする。
イ 鳥獣保護行政上必要があると認められる場合には,必要な条件を付するものとする。
(3) 鳥獣捕獲許可証の交付
イ 鳥獣捕獲許可証は,原則として捕獲する鳥獣別に交付するが,期間,方法,区域がすべて同じ場合は,併記して交付することができるものとする。
ウ 必要に応じて,許可を受けた者に対して,捕獲個体のデータ等の報告を求めるものとする。(法第20条ノ3)
(4) 許可の通知
鳥獣捕獲の許可をした場合には,次の者にその旨を通知するものとする。
ア 駆除区域を担当する鳥獣保護員
イ 県中地方振興局長
ウ 駆除区域を管轄する警察署長
エ 駆除区域の狩猟者団体の長(猟友会支部長)
オ 駆除区域を管轄する森林管理署長等(国有林内で駆除を実施する場合)
(5) 許可証等の返納及び捕獲報告
ア 許可証等の交付を受けた者は,施行規則第34条第1項及び第5項によりその効力を失った日から30日以内に許可証を返納するとともに捕獲数等を報告しなければならないので,許可の際にその旨を指導するものとする。
イ 報告は,鳥獣捕獲許可証にその内容を記入するとともに,有害鳥獣駆除実施状況報告書(様式第7号)を添付するよう指導するものとする。
6 駆除体制の整備
(1) 有害鳥獣駆除については迅速かつ効果的な駆除が求められるので,申請者に対して,駆除隊を編成し効果的な駆除実施体制の整備を図るよう指導するものとする。
(2) 駆除隊の人数は,隊員の統率及び効果的な駆除を図る観点から,おおむね25名前後とするよう指導するものとする。
(3) 駆除隊員は,原則として狩猟歴3年以上の者とするよう指導するものとする。(甲種免許所持者についてはこの限りではない。)
(4) 駆除隊を編成した場合は,駆除隊全員を損害賠償保険に加入するよう指導するものとする。
7 有害鳥獣駆除実施における指導事項
有害鳥獣駆除のための鳥獣の捕獲を許可した場合には,必要に応じて許可を受けた者に対して次の事項を指導するものとする。
(1) 駆除を実施する際には,事前に地域住民に対し,駆除の実施,方法等について周知を図り,事故防止に万全を期すること。
(2) 捕獲従事者に対して,許可の内容(捕獲期間,捕獲方法,捕獲区域,捕獲鳥獣等)について説明し,法令違反のないようにすること。
(3) 駆除の実施が判るように捕獲従事者に腕章を着用させること。
(4) 捕獲従事者は駆除の際に従事者証を必ず携帯しなければならないこと(法第19条)。
(5) 網,わなの猟具により駆除する場合は,その猟具に許可を受けた者の住所,氏名,捕獲許可番号,許可期間及び有害鳥獣駆除である旨等を明記した標識を付けること。
(6) 捕獲物については,鉛中毒事故等の問題を引き起こすことのないよう,山野に放置することなく,捕獲の目的に照らして適正に処理し,学術研究などに利用できる場合は努めてこれを利用するよう指導するものとする。
8 その他
人が排出する生ゴミ等への依存が,野生鳥獣による被害等の誘因となっていることに鑑み,被害等の防止の観点から,生ゴミ等の適正な処理や餌やり行為の防止についても必要な指導を行うとともに,関係方面への周知徹底を図ることとする。
附則
この要領は,公布の日から施行し,平成12年4月1日から適用する。
附則(令和6年告示第27号)
この要領は,令和6年4月1日から施行する。